セミリタイアする上で大切なことは、「生活費の見直し」だ。生活費を下げられれば、それだけ、セミリタイアするためのハードルが低くなる。
セミリタイアしても、まったく働かない訳ではないのだが、会社員の安定した収入を捨てるには、少ない労働収入でも生活が安定することが肝要だ。
まずは、セミリタイアするための第1歩として公務員時代に私が実践した、「誰でも実践できる固定費削減術」を解説する。
今日から始められるので、是非、実践してほしい。
資産形成の鉄則:「支出を減らす」は「収入を増やす」よりも効果が大きい

本業以外で「収入を増やす」には、スキルや知識を身に着けないといけないため、どうしても時間がかかるものだ。
特に副業が制限された公務員だった私には、当時、本業以外で「収入を増やす」方法が思いつかなかった。
そこで、まず実践したのは「毎月の無駄な固定費の削減」である。一度見直すだけで、その効果はずっと持続し、しかも「税金がかからないノーリスクの収入」と同じ効果がある。
仮に、節約して手元に残るお金を、同じ額だけ副業で稼いだとしても、税金や持続性といった面で、「支出を減らす」方が「収入を増やす」よりも効果は大きい。
| 項目 | 収入を1万円増やす | 支出を1万円減らす |
| 手元に残るお金 | 約7,500円 | 10,000円(丸ごと残る) |
| 難易度 | 会社の評価や市場に左右される | 自分の意思で今すぐできる |
まずは毎月の大きな固定費から削減できるものがないか見直してみよう

ここからは、公務員時代に私が実践した、「誰でも実践できる固定費削減術」を紹介する。
スマホは格安SIMに変えよう!
今使っているスマホのキャリアが大手なら、格安SIMに乗り換えれば、毎月4,000円程度の節約が見込める。
実際、私もソフトバンクからワイモバイルへ乗り換えた。料金は安くなるのに、ワイモバイルの外出先での電波の繋がりやすさや通信速度はソフトバンクとほぼ変わらない。
自宅でWi-Fi契約している場合
私は、自宅でソフトバンク光を利用していたので、固定回線のセット割引が適用できるワイモバイルを選んだ。
使いやすさは特に変わらないのに、大手キャリア(ソフトバンク)から格安SIM(ワイモバイル)へ乗り換えるだけで、これだけ安くなる。
毎月4,000円程度の節約
料金の内訳 ソフトバンク ワイモバイル SoftBank光(WiFi) 5,060円 5,060円 スマホ料金(5GB) 5,258円 1,628円 ネット+スマホの総額 10,318円 6,688円 もし、家族がいればスマホ台数分だけ割引きが適用されるので、もっとお得だ。
格安SIMは、自宅でWi-Fi契約している固定回線ごとに相性の良いものが変わってくる。
ここでは、固定回線ごとの相性の良い格安SIMを紹介したい。
(自宅にWi-Fi環境がある場合、スマートフォンで外出先に消費するモバイルデータ通信量は、一般的に1ヶ月あたり3GB〜10GB程度が目安なので、5GBプランを想定する。)
| 自宅のWi-Fi (光回線) | 相性の良い格安SIM・プラン | スマホ料金 (5GB前後) | Wi-Fi料金 | 毎月の総額(税込) |
| IIJmioひかり | IIJmio(5GB) | 950円 | 3,696円 | 約4,646円 (単身・最安値) |
| 楽天ひかり | 楽天モバイル (〜20GB) | 2,178円 | 4,180円 (※毎月1,000pt還元) | 約6,358円 (実質 5,358円) |
| auひかり / ビッグローブ光 | UQモバイル(4GB) | 1,078円 | 4,730円 | 約5,808円 |
| ドコモ光 | irumo(6GB) | 1,540円 | 4,400円 | 約5,940円 |
| SoftBank 光 / NURO光 | ワイモバイル(5GB) | 1,628円 | 5,060円 | 約6,688円 |
💡 結論:今使っている固定回線にあった格安SIMを選ぼう!
総額で見るとIIJmioなどより高くなるが、「昼でもサクサク繋がる快適さ」と「家族を巻き込んだときの割引の手厚さ」といった利点がある。
また、他社へ乗り換えると「光回線の解約金」「新しい光回線の開通工事(数週間〜1ヶ月待つことも)」「Wi-Fiルーターの交換」といった大きな手間と初期費用が発生する。
現在の通信速度や使い心地に不満がなければ、無理に今使っている回線ごと引っ越すよりも、今の強力なセット割を活かしたまま運用するのが最もストレスがないはずだ。
自宅でWi-Fi契約していない場合
自宅にWi-Fi環境がない状態で格安SIMを単体契約する場合は、「外出先だけでなく、家の中でもすべての通信をスマホのデータ容量でまかなう」か「賃貸物件が無料インターネットがある」の2パターンではないだろうか。
それぞれの状況に合わせ、「単体契約」する場合のおすすめの格安SIMを紹介したい。
パターン①:自宅Wi-Fiなし(すべてスマホの容量でまかなう)
👉 おすすめ:楽天モバイル(Rakuten最強プラン)
- 月額料金:3,278円
- 選んだ理由:
自宅にWi-Fiがない場合、動画視聴やアプリの更新で1ヶ月に数十〜数百GBを平気で消費する。他社の格安SIMだと20GBや50GBで上限が来てしまうが、楽天モバイルならデータ容量が完全無制限だ。
さらに、スマホをWi-Fi代わりに周囲の機器に繋ぐ「テザリング」も追加料金なしで無制限に使えるため、パソコンやテレビ、タブレットもこれ1台でインターネットに接続できる。家でも外でもギガを一切気にしなくていい唯一無二の選択肢だ。
パターン②:賃貸物件に無料インターネットがある(外の5GBだけでいい)
👉 おすすめ:IIJmio(ギガプラン 5GB)
- 月額料金:950円
- 選んだ理由:
自宅では無料Wi-Fiに繋げるため、スマホの契約は「外出先で使う最低限の容量(5GB)」だけで十分だ。もし「今月は外であまり使わなかった」という場合でも、余ったデータを翌月にそのまま繰り越せるため、無駄がない。
無料Wi-Fi付き物件のメリットを最大限に活かして、固定費を1,000円以下に抑えたいならこれがベストだ。
💡 結論
- 家も外も1台で完結させるなら ➔ 3,278円で使い放題の楽天モバイル
データ無制限・国内通話無料・楽天ポイントでお得に使える【楽天モバイル】
- 無料Wi-Fi物件なら ➔ 外出用として950円で持てるIIJmioモバイルサービス
保険を正しく見直そう!必要な民間保険は3つだけ
負担しなければいけない医療費には上限がある
日本ではすべての人が公的医療保険に加入しているため(国民皆保険制度)、病気やケガをしても基本的な医療費は3割負担で済み、さらに1ヶ月の自己負担額に上限を設ける「高額療養費制度」もある。
一般的な年収(約370万〜770万円)の人なら、1ヶ月の医療費の上限は約8万〜9万円で済む。
そんな日本の手厚い公的保障(社会保険)でもカバーできない部分を補うものが民間保険で、実は必要以上に民間保険に入るメリットはないのだ。
公務員や大企業会社員はさらに手厚い
特に公務員や大企業社員の場合は、共済組合(公務員)や組合健保(大企業会社員)の保証が非常に手厚いため、過度に働けなくなった時のリスクを恐れる必要はない。
もし、あなたの保険証名が、〇〇健康保険組合、あるいは〇〇共済組合と書かれていたら、あなたは最強の保険にすでに加入している。それぞれの加入保険の比較表を簡単に紹介する。
| 職業・加入保険 | 1ヶ月の医療費の上限(目安) | 働けなくなった時の給与保障 | 民間保険の必要度 |
| 公務員(共済組合) | 実質 約25,000円 (付加給付あり) | 1年3ヶ月間は8割〜10割 | 基本的にほぼ不要 |
| 大企業会社員(組合健保) | 実質 約20,000円〜 (付加給付あり) | 1年6ヶ月間は約6.7割〜 8割 | 医療・就業不能はほぼ不要 |
| 中小企業会社員(協会けんぽ) | 約80,000円〜90,000円 | 1年6ヶ月間は一律約6.7割 | 貯金が少なければ検討 |
| 個人事業主(国民健康保険) | 約80,000円〜90,000円 | なし(傷病手当金がない) | 働けないリスクへの備えが必須 |
ここからは私見だが、たとえ中小企業の会社員や個人事業主であっても、日本の社会保険制度は十分に強力だ。
だからこそ、20代〜30代の若いうちから病気やケガのリスクを過度に恐れ、高い保険料を払い続けるのはもったいないと言わざるを得ない。
民間保険を削って浮いたお金を投資に回し、万が一の事態に「自分の資産」で対応できるようにする。これこそが、長期的に見て合理的な資産形成のルートだ。
必要な民間保険は3つだけ
さまざまな民間保険があるが、本当に必要な次の3つだけ押さえておこう。
(1) 死亡保険(掛け捨て)
子供(自活できない身内)がいる場合のみ、掛け捨ての定期保険などで備えておこう。逆に言えば、守るべき家族がいない独身の方なら、現時点では入る必要はない。
解説: 独身の方や、共働きの夫婦で子供がいない場合は、高額な死亡保障を用意する必要なし。子供(自活できない身内)がいる場合のみ。
(2) 火災保険
火災保険は「家が燃えたとき」だけのものではない。入っていないと人生が破綻するリスクがある。
- もらい火のリスク: 隣の家から火を移されても、相手に重大な過失がなければ「失火責任法」によって1円も補償してもらえない。
- 賃貸の賠償リスク: 水漏れやボヤを起こした際、大家に対して数千万円規模の「借家人賠償責任」を負う。
ちなみに、賃貸契約のときに不動産屋から勧められる火災保険は、不要な補償が盛られた割高なものが大半だ。自分でネットの無料見積もりなどを使い、安くて信頼できる保険を自分で選んで契約する方が圧倒的にお得だ。
💡 火災保険一括見積もり
賃貸の契約時でも、自分で探した火災保険への加入を認められるケースがほとんどだ。まずは、ネットの無料一括見積もりを使って、同じ補償内容でより安いプランを自分で用意して不動産屋に提示してみよう。これだけで数万円浮くことも珍しくない。条件に合った最安プランを比較できる「火災保険一括見積もり」の確認はこちら
(3) 自動車保険
車を運転するなら、対人・対物無制限の任意保険は必須だ。強制保険(自賠責)だけでは、万が一のときに一発で人生が終わるリスクがある。
賠償額の現実: 過去の死亡・後遺障害事故では5億円を超える損害賠償が命じられた事例があり、自賠責の上限3,000万円では到底足りない。
「物」は1円も出ない: 自賠責保険は「人」へのケガしか補償しない。他人の車、高級な店舗、電柱などを壊しても、自賠責からは一円も支払われない。
任意保険を賢く割安にする3つのコツ
(1)「ダイレクト型(通販型)保険」を選ぶ
ディーラーや代理店を挟まず、ネットで直接申し込む保険(三井ダイレクト損保など)。店舗の人件費や中間マージンがないため、従来の代理店型に比べて年間で数万円安くなるケースが多い。
(2)「運転者の条件」を限界まで絞る
「全年齢対象」が最も高く、「21歳以上」「26歳以上」「30歳以上」と、運転する最も若い人の年齢に合わせて制限をかけるだけで大幅に安くなる。また、車を運転する人を「本人限定」や「本人・配偶者限定」に絞ることも有効だ。
(3)「車両保険」を見直す
車両保険の有無によって、年間の保険料はおよそ1.5倍〜2倍近く変わる。金額にすると、年間約3万〜10万円以上の差が生まれる。軽い事故で保険を使用すると、保険の等級が下がり、来年からの保険料が上がるため、自腹で直した方が安いことが多い。また通常、過失割合に応じて相手の対物保険からもお金が支払われるので、車両保険に入らないのも一つの選択肢だ。
💡 車両保険一括見積もり
車を乗り続ける人にとって、対人・対物無制限の任意保険は必須だ。今回、紹介した「代理店型からダイレクト型へ保険を見直す」だけでも、一般的には年間約15,000円〜35,000円もの削減が期待できる。
まずは、無料の一括見積もりで、あなたの自動車保険を見直してみよう。
田舎暮らしの私が13年同じ車に乗り続けて気づいたこと
車の生涯コストは、車種によって幅があるが、約2,000万〜5,500万円かかるとの試算がある。資産形成を目指す人にとっては、車を持たない方が得策だ。しかし、私のように「車がなければ生活が成り立たない田舎」に住んでいる人にとって、車を手放すのは現実的ではない。
私は、社会人1年目に200万円で購入した新中古車に、かれこれ13年間乗り続けている。車を所有していも「車はあくまで、目的地へ行くための移動手段」と割り切ることで、お金の貯まるスピードが劇的に加速する。
よく『古い車はメンテ代がかかるし、13年を超えると税金も上がるから、7年くらいで乗り換えた方が得』と言われるが、それは間違いだ。いくらメンテ代や税金が上がったとしても、『新しく車を買い直す費用(数百万円)』に比べれば、微々たるものだからだ。ここでは、7年乗り続けた場合と15年乗りつぶした場合の生涯コストの比較表を簡単に紹介する。
| 項目(50年間の累計) | 7年ごとに乗り換える(計7回) | 15年乗り潰す(計3.3回) |
| 車両本体代(総額) | 約1,400万円 | 約660万円 |
| 下取り・売却益 | 約-140万円 | 0円 |
| 維持費総額 (車検・税金・ガソリン・保険・メンテ) | 約1,130万円 | 約1,230万円 (※増税・メンテ込) |
| 50年間の総額 | 約2,390万円 | 約1,890万円 |
表を見てわかる通り、15年乗り潰す側は後半のメンテ代や13年超の増税によって、維持費自体は100万円ほど多くかかるが、「新しい車を買い直す回数が半分以下に減る」というメリットがそれを凌駕するため、総額で約500万円も得をするという計算となる。
1台の車を大切に長く乗り続けるだけでも、車必須な田舎に住みながら、何百万円もの固定費を浮かせることができる。
要は「何年置きに乗り換えないといけない」なんて常識に囚われなければ、車を乗ってても節約する術はいくらでもあるのだ。
使用してないサブスク(動画・音楽・アプリ)は解約しよう!
毎月の自動引き落としされるサブスク代を見直すことは、手をつけずに貯金額を増やす簡単な節約アプローチだ。食費や交際費を削るような我慢を伴わないため、一度設定してしまえば効果がずっと続く。
まずは、引き落とし口座、カードの明細を3ヶ月分集めて購入履歴で、使用していないサービスを確認してみよう。
動画配信(Netflix, U-NEXT, Amazon Prime等)
同時に複数のサービスを契約していないだろうか?「今月はNetflixのドラマを見るから、U-NEXTは一時解約する」といったローテーション契約に切り替えるだけで、月1,000〜2,000円浮く。
音楽・電子書籍・雑誌の読み放題
無料体験のまま自動更新されて放置しているもの(ジム、オンライン英会話、ニュースアプリ等)は即解約しよう。
スマホの有料アプリ
月額300円〜500円の古いナビアプリや、端末購入時に強制加入させられたオプションが残っていないか確認しよう。
おわりに:生活費の見直しは最優先事項!
今回、紹介した方法で支出を見直すことができれば、セミリタイアするためのハードルはぐっと低くなる。
いろいろ紹介してきたが、どれか一つでも参考になるものがあれば幸いだ。資産形成は長期戦なので、焦らず自分のペースで取り組んでいってほしい。
これから貯蓄を始めようと思ったときに、以下の書籍をおすすめする。
経済的自由を目指すための実践型の入門書で、難しい専門用語を使わない分かりやすい内容になっている。興味があれば是非、参考にしてほしい。
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次の記事では、国は教えてくれない税金控除を解説する。条件は満たしているのに申請しないと、年間で数万円〜数十万円単位の損をしている可能性がある。自分に当てはまるものがないか確認し、資産形成に取り組んでほしい。
または、職場の理不尽な人間関係に悩む人にこそ、セミリタイアという生き方をおすすめしたい(前回の記事)の解説に戻る。

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